当学会は平成10年より、会員業務の一部(名簿管理、入退会処理、会費徴収、郵送宛名印刷など)を学 会事務センター(正式名称は財団法人日本学会事務センター)に委託してまいりましたが、新聞等で報道されていますように、ずさんな資金管理、預り金流用な どにより大幅な債務超過に陥り、平成16年8月17日に東京地裁より、学会事務センターの破産宣告がなされました。負債状況は、5月末現在で、債権者総数 約1100名、債権合計額約19億円とのことです。
学会事務センターは、文部科学省の認可を受け約270の学協会の業務を受託し、我が国の学術・文化活動を支える重要な使命を担っていたにも関わらず、このような事態に至ったことは、真に遺憾であり怒りを禁じ得ません。
この件に関して、これまでの理事会の対応と今後の見通しについてご報告を致します。7月3日に上記不祥事について一部マスコミで報道された後、学会事務セ ンターより説明会開催の案内がありました。当学会では、東京で行われた2回の説明会(7月10日および14日)に理事と事務局員が出席しました。その後の 理事会(7月20日)で議論し、9月末に予定されているフォーラム顔学に関連して比較的多くの支出が予想されることから、 当面の運営資金を引き出すと共に、当学会としては、学会事務センターの役割の重要性に鑑み、 出来得ることなら経営再建が望ましいと考え事態を注視することとしました。
その後、学会事務センターは、8月6日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立を致しました。 しかしながら、8月9日に、同地方裁判所は民事再生手続き申立を棄却し、 保全管理命令が発令されるに至りました。これに関する説明会が8月17日に開催されましたが、 同日午前に裁判所より破産宣告があり、破産管財人(竹村葉子弁護士)による状況説明がありました。 正式な債務内容は11月に予定されている第1回債権者集会で明らかになることですが、 各学協会が学会事務センターに預けてある約16億円(当学会分は約400万円)は回収不能の見通しということでした。 これを受けて、私どもは9月3日に臨時理事会を開催し善後策を検討致しました。 そこで、1)現在の会員名簿など必要な情報の速やかな回収、2)新たな業務委託先の検討と委託内容の検討、 3)今年度事業予算の見直し、4)同じ被害を受けた他学協会との連携、を行うこととし作業に入っております。 幸い、事務局の概算では、当面の学会の活動には影響はないものと思われます。 しかしながら、学会事務センターの機能が停止しておりますので新規入会金、学会費の振込みは、 しばらく見合わせて頂きたく存じます。新しい会員業務体制が整い次第、改めてご案内を致します。
以上に関しまして、9月25日のフォーラム顔学初日に予定されております日本顔学会総会で、さらに詳しいご報告を致しますが、 この間、会員の皆様にはご迷惑とご心配をおかけいたしますこと、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。